2045年問題
著者は、コンピューターの急速な発展、進歩によって、2045年に技術的特異点を迎えると指摘している。
技術的特異点とは、コンピューターの知能が人間の知能を超え、人間よりも優位に立ってしまう時点のことを指し、著者は人間社会だけでなく宇宙全体までも支配してしまう可能性があると指摘している。
カーツワイルは、将来の科学・技術の進歩には三つの段階を踏むであろうと述べている。
その三段階とは、遺伝子工学(生物化学)、ナノテクノロジー、ロボットである。
まず遺伝子工学は、人体改造が可能であるという考えです。遺伝子を改造してかなりの病気を治すことで、人間の寿命を1000年くらいまで伸ばせると言います。
その次に、ナノテクノロジーの時代が来ると考えます。
例えば、赤血球サイズのロボットを作り、そのロボットは自己増殖機能を持ち一つ作ればあとは勝手に増えていく。そして、ガンなどがあれば、体の内側から勝手に退治してくれる。そのようにすると、遺伝子工学の時代以上にほとんどの病気が治せるようになります。
最後の段階が、ロボットの時代です。
それは、人工知能とも言います。人工知能には強い人工知能と弱い人工知能があり、強い人工知能とは意識を持つ人工知能のことを指します。この、「強い人工知能」が教育によって優秀になっていくことによって、やがてはロボットが人間に反抗し、逆らう時代がやってくるかもしれません。
現在では、生物進化の頂点にいるのは人間つまりホモサピエンスであるが、カーツワイルの描く未来像には人間よりもコンピューターが優位にたつ時代が来るということです。もしそれが実現しても、人間は絶滅することなく絶滅危惧種として生き残ります。そして、ホモサピエンス自体も進化していき、やがてはコンピューターの中に入り込んで意識だけで生きる存在になる。人類はコンピューターに取って代わるわけではなく、融合して進化するとカーツワイルは考えている。
こういった社会変化に伴って、貧富の差も拡大していく。この社会変化に柔軟に対応し、社会で生きて行く上で必要な力として重要なのが、「コンピューターを扱える力」と「英語力」であると本書では指摘している。
技術は相関関数のようにスピードを上げて進歩していくが、そんな中でも悲観的にならず、解決策を模索しながら新たな技術と共に人類自体も進化していくことを期待したい。